新年早々の1月9日(土)に茶道同好会の初釜に伺いました。
定刻の午前11時少し前に会場の青学会館2階、B室に着くと清々しい和服姿の方が会場の準備をされていて、三々五々会員の方々が集まり、この日の出席会員数は16名になりました。午前中は濃茶席で、定刻になるとこの日の正客と次客の方が正面に座り、主客の方のあいさつの後に、先生から「新年の賀詞と一服差し上げる」旨の言葉があり、続けて皆さんが静かに見守る中で作法に従って濃茶が点てられました。
点てられた濃茶はまず主客の方から順にふるまわれますが、礼儀作法はすべて主客の方のとおりにするそうです。
濃茶席では、なんと作法が碌にわからない筆者にまで回ってきて、お隣の方に教わりながらいただきました。この濃茶は普段イベント会場や寺院などの庭でいただくお茶とは違って、その名のとおり濃いもので深い味わいを感じました。(ただし、筆者の口の周りは緑色に染まっていたようです)
お茶が一通りまわり終えてと主客の方からお礼の言葉が述べられた後、お軸などの説明があり、主客、次客の方から花や掛け軸の素晴らしさを称える言葉が述べられました。もちろん先生からも丁寧な説明があり、出席の皆さんも心行くまで鑑賞していました。
ちなみに、この日の器は「嶋台」と言って、金と銀を合わせたもので主に初釜で使うとのこと。
菓子器は江戸時代に作られた輪島で、松、竹、鶴をあしらっためでたいもので、時代を感じさせる趣のある作品でした。(貴重なものを目の前で見せていただきました※このような貴重なものを手に取って見る場合には、金属製のものは手から外すのが礼儀とのこと)
お茶は芳翠園の「千代の緑」で茶入れは「仁清写し」でした。
棚の柱に使われている竹は節が二つのものと、三つのものが2本ずつで、これもめでたいものです。
そのほか、袋、水指など道具について丁寧な説明があり、皆さん熱心に聞き入っていました。
茶席での落ち着いた時間は、筆者にとっても豊かさを感じる至福の時間でありました。
室町時代に始まったといわれる茶道(茶の湯)は戦国の武将の間で精神修養のなどのために瞬く間に広まったようですが、戦いに明け暮れる武将たちが「茶の湯」に片時の心の安らぎを求めた意味が理解できるように思えました。
また、このような高度な日本の伝統的精神文化は変化の激しい現代にこそ生かしていくべきものかもしれません。
終了後は青学会館のレストランで豪華な食事をいただきました。午後からの薄茶席の心残りを持ちつつ青学会館を後にしましたが、この日出席された方々の晴れやかな表情が印象的で、この日も素晴らしい体験をさせていただきました。
皆様、お心遣い、ご協力ありがとうございました。