2017.12.16 更新
演題 分断と和解?いま、キリスト教大学に求められているもの?
講師 伊藤悟先生 青山学院大学教育人間科学部教授・大学宗教主任
日時 2017年5月13日(土)14時00分~17時30分
場所 青山キャンパス 総研ビル11階 19会議室
青山学院大学経済学部を卒業された伊藤先生はノースウエスタン・カレッジを経て、ウエスタン神学大学院、東京神学大学大学院を修了。青山学院で教鞭をとられる傍ら、日本キリスト教教育学会理事をはじめキリスト教関係の諸団体の要職に就かれております。講演では次のようなお話をされておりました。要旨は会報「同窓会だより」18号に記載されております。
聖書は「人は独りでいるのはよくない」と教えますが、現代社会は「独りで何でもできる社会」を完成形にしているように見受けられます。個の尊厳が言われながら、その実態は「人それぞれ」「自己責任」であり、格差社会につながっています。
子どもも大人も人間関係が希薄になり、互いに門を閉ざして行き来しないこと、深くかかわらないことが身を守ることと考えられています。
キリスト教大学は「人間の人間らしさ」の追求をし、壁を作るのではなく橋を架けること、分断されたら分断されたものをつなぐこと、違いを超えて共に生きることを考え続けてきました。
今年は宗教改革500年の年です。宗教改革はカトリックとプロテスタントの「分離」としてとらえることがありますが、宗教改革は原点に立ち返る自由を求め、むしろ分離していたものを元に戻していく改革でした。青山学院もまた「共生と和解」を真剣に考える学問研究と教育の場であり続けなければなりません。