こんにちは。
青山学院大学競技ダンス部4年の吉田香織です。
先日7月13日に大阪のなみはやドームで行われました、夏の全日本戦、通称夏全にレギュラーメンバーとして出場させて頂きました。
本日はその夏全の模様や感想、結果等について、お話させて頂きたいと思います。
試合自体は13日の午前中から開始のため、多くの部員は前日12日の新幹線を利用して大阪へ向かいます。
新幹線に乗って少しおしゃべりをしていればあっという間、大阪へは2時間ちょっとで着いてしまいます。
私たちが新大阪駅に着いたのはお昼過ぎ頃で、そこからはしばらく自由行動。
多くの部員が道頓堀や通天閣に向かう中、私を含めた5人は関西最大規模の水族館、海遊館に行って来ました。
涼やかな空間で過ごす癒しのひととき。
SNSをチェックしてみると、まるで翌日が全国大会だなんて嘘のよう、道頓堀や通天閣へ向かった青学の部員たちや他大学の部員も、皆存分に観光の時間を満喫しているようでした。
夕方頃に宿泊先のホテルに集合してミーティングをし、その後はまた自由時間。
夕食のために出掛けて観光を続ける部員がほとんどです。
しかし部員たちの空気は日が暮れるに連れて、少しずつ試合モードへと変わり始めます。
選手たちは身体の調整のためにストレッチをしたり、髪上げをしたり。
いよいよ明日は試合なのだという実感が湧いてきます。
日付が変わる頃には選手のほとんどが就寝したようでした。
翌朝、ホテルのロビーに集合します。
昨日の観光モードとは打って変わり、選手が髪上げやメイクを完成させ、部員全員がスーツを着ている姿を見ると、数時間後には試合が始まるのだとわくわくしてきます。
皆でなみはやドームへ向かう道中、だんだんと髪上げやメイクをしたスーツの集団が増えてくるのに連れて、高揚感が増していくのが自分でも分かりました。
最寄り駅に着き、駅からすぐ近くのなみはやドーム、ゲート前で開場を待つ全国から集まった部員たち、そして中のフロアを見ると、何とも言えない感慨深さ。
今年度は上級生の人数不足により、レギュラー戦にも関わらず下級生にも数カップル出場してもらわなくては枠が満たせない状況、その上東都戦でのFMの成績不振が重なり、夏全の参加権すら危うい状態でした。2部校へ降格はしてしまったものの何とか参加権を得た東部戦での苦辛を思い出し、私が1年生の頃から当たり前のように先輩方が毎年このフロアへ連れて来て下さったことに、今さらではありましたが、感謝の気持ちでいっぱいでした。
そして始まった全日戦。
普段のレギュラー戦とは違った、夏全ならではの熱気に会場は包まれていました。
夏全のフロアは独特です。1次予選にも関わらず、準決勝と変わらない12組ものカップルが踊ったり、関西ブロックや北海道ブロックの選手たちは派手で個性的な衣装、髪上げ、ルーティンで挑んできたり。
いつもと違った光景、そして何と言っても全国から集まった選手たちのレベルの高さ。
それらに触発され、興奮した部員たちの熱い声援は、1次予選の時点から驚く程の大きさでしたが、予選が進むに連れてさらに大きくなって行きました。
何と言っても我ら青学勢が最も盛り上がった瞬間は、スタンダード決勝戦でしょう。
同期である楠木・富岡組が見事決勝戦へと駒を進めました。
ファイナルソロでは得意種目であるタンゴを披露し、4種総合の結果は2位!
ファイナル入りや準優勝ではなく、全国1位を目標に日々練習していたために、2位のコールで背番号を呼ばれた時には本人たちは悔しそうな表情を見せていました。
私自身も、本人たちの悔しさと、全国2位という輝かしい結果に対する喜ばしさとで、コールの瞬間には複雑な気持ちでありました。
しかし2位のオナーダンスを踊っている2人を見て、先行するのは誇らしさでした。
本当に、こんなにもダンスとひたすらに向き合い、努力家で、全国という舞台で輝いているカップルがいることが、同期としてもとても誇らしかったです。
そして最も気になる団体成績は、何と5位!
学連のHPには6位と記載されていますが、2位が東部推奨枠(夏全に出場出来なかった学校や、団体の枠に入らないシャドーカップルの中で、優秀選手として夏全に出場することを特別に選ばれたカップルの集まり)なので、実質は団体5位です。
私たちの親代が叩き出した団体4位の成績には及びませんでしたが、それでも5位という予想外の順位は、部員全員が喜べるのに充分な順位でした。
これは全国2位を勝ち取った楠木・富岡組を筆頭に、ラテンの部で9位の成績を収めた佐藤・水野組、勇ましく全国に立ち向かった幹部代、下級生にも関わらず4種戦を踊り切った2年生、そして声を枯らして応援に励んだ部員たち、全員の努力の結果と言えるでしょう。
成績に加え、1次予選を突破した2年生がいたり、既に来年の夏全に出場したいと意気込む1年生がいたりと、さらに勢いづいた青学の将来が見えるかのようでした。
今年の夏全を例年までと比べると、
個性やこだわりの強いカップルが勝ち進んだなという印象です。
スタンダードは、フロアの広さやカップル数の関係で、背が高いカップルは特に夏全では有利だと言われています。
確かにファイナルに上がったカップルでも高身長カップルは数組ありました。しかしそれらのカップルは皆、身長に加えて見た目なりムーブメントなり空気感なり、何かしらの武器や強烈な個性があったように思えます。
彼らの踊りを見ていると、高身長で技術があるにも関わらず予選落ちしてしまったカップルが多かったのにも納得がいきます。
ラテンもまた然りです。
しっかりした自分たちというものを持っているカップルがファイナルへと駒を進めました。
特にこだわりの強いリーダーが多く、プロや学連の誰に憧れているのか個人名が挙げられるのではないかと思うほどに、自分のしたいダンス、憧れるダンスが主張されていました。
こちらも、技術を持ち合わせてファイナリスト候補と唄われてきたカップルが次々と予選落ちしてしまった理由がそこにある気がします。
ダンスそのもの以外に会場全体についても言及するならば、競技ダンス部人口の減少が垣間見えました。
大きな声援が聞こえている時には感じませんでしたが、私たちが1年生の時の夏全に比べて会場の部員人数が大幅に減っている気がします。
事実青学だけでみても、上級生カップルのみで参戦出来ていた試合も、今は下級生の力を借りなくては枠も埋められない状態です。
パンフレットで北大や立命館、関西外語などの他ブロック校をみても、かつて4年生のみで占められていた枠には3年の文字がかなりの割合で見られました。
競技ダンスに魅せられその楽しさを知り、今度は魅せる側になる人が1人でも多くなることを願います。
現役部員の減少に引き替え逆に多くなったと思われたのは、試合を観戦しに来て下さったOB・OGさんの数です。
昨年度東部理事のほとんどがわざわざ大阪までいらっしゃり、他大学でもここ数年卒部されたばかりの先輩から、何年も前に卒部されたと思われる先輩まで、たくさんのOB・OGさんが学校席にみえました。
青学でもOB・OG2年目の安部先輩や向山先輩を始めとして例年以上にたくさんの先輩が観戦にいらして下さいました。
私たち現役からすると、自分個人や団体、後輩は勿論、いらして下さった先輩のためにも頑張ろう、成長した自分を見て頂こうとモチベーションが格段に上がります。
試合中は若い現役に負けじと応援して下さり、後には講評を下さいます。
OB・OGと現役が強い繋がりを持って学校を、遂には学連全体を強くしていく風潮は素晴らしいですね。
夏全が終わり、学連はオフシーズンへと入ります。
辛く厳しい強化練習や合宿を皆で乗り越え、夏休み明けの9月には1?3年が松前杯を控えております。
またその1週間後には東部2部戦があります。今年は2部校へと降格してしまったので1部戦ではなく2部戦への出場となりますが、この2部戦で団体上位に食い込められれば11月の1部戦への参戦権を得られます。
ひとまずの青学の目標は1部戦への参戦、その1部戦での団体上位でしょう。
そして12月の全国大会では、夏以上の好成績を残すことが出来ればと思います。
今回の夏全での経験を活かし、部員一同切磋琢磨しながら努力を積んで参りますので、
これからもOB・OGの先輩方の熱いご指導、ご支援、ご声援を賜りますよう、お願い申し上げます。
拙い文章ではありますが、ご精読ありがとうございました。
------------------------(2014.8.26画像追加、更新)----------------------------
ラテン下位決勝{佐藤・水野組(写真右下)、ラテンの部9位}
スタンダード上位決勝{楠木・富岡組(写真右より2組目)、
スタンダードの部準優勝}
楠木・富岡組のオナーダンス
※青学全選手の競技の様子は、「現役2014年度HP」の動画でご覧になれます。