2022.03.22 更新
平成から令和となり、コロナ禍により大人数が集うことに制限される状況の中、同窓会も新たな交流の場を提案し発展させていく必要があります。そんな中、前会長竹崎さんのご家庭の事情もあり、新たに会長となりました 27 期卒業の永易雅文です。これまで、事務局の一員として、本同窓会のメインイベントであります『経営システム工学科と卒業生の集う会』 (以下、集う会) を 2013 年より企画・運営をして参りました。集う会は学科教職員の方々の多大なる支援のもと、学生と卒業生が交流する非常にユニークな同窓会のイベントです。特に 2 回目以降、学生有志の皆さんにイベント企画へ参加いただけていることは誇れることです。これまで企画に参画いただけました皆様には、ただただ感謝するばかりです。これまで 10 年足らずで立ち上げた集う会を引き続き発展させていくことはもちろんですが、これからの 10 年で取り組む指針をここに綴り、ご挨拶とさせていただきます。
○ 経営システム工学はどのように役立つのか
集う会は「経営システム工学が卒業後どのように役立つのか」という学生時代の漠然とした疑問、不安に対し、卒業生がどのように応えられるのかということが出発点です。日々課題を見つけ、分析を行い、改善提案や抜本的な改革を実現していくためのプロセスを管理するということは具体的な技術や技能とは結びつきにくく、学生の皆さんにとって学んだことがどのように役立つかをイメージするのは難しいことなのかもしれません。経営システム工学の弱みといえます。一方、卒業生は経営システム工学の研究を通して身につけたことは、社会に出たときに経験する様々な障壁への対応そのものであり、たとえ結果が芳しくなかったとしても、自らの経験を語るだけで後輩へのアドバイスとなるということが強みといえます。卒業生の皆様は自分の言葉で、これまでの生き様を語ることが、卒業した大学への貢献となるのです。言うまでもなく学生に伝えることで、原点に立ち返り、新たな視点から自分を見つめ直す機会ともなります。
自分の言葉で語る生き様は、学んだことがどのように役立つかという事実を伝える以上に、どう役立てたかという手法も伝えています。やりたいことがある学生が、技術を学び、そこに卒業生が手法を伝えれば、そこにはソリューションが生まれます。やりたいことを探している学生であれば、やりたいことが見つかるはずです。これからの 10 年は「経営システム工学をどのように役立てるか」を発信する同窓会としていきます。
○ AI の発展から感じること
私が卒業する頃、 AI の研究が流行りました。二度目のブームだったと記憶しています。今、レベルは格段に違いますが、 AI が再度脚光を浴びています。ただ、たとえレベルは違っていても、大量のデータを定量的に分析し、モデリングするという根幹がまったく変化していないことは、当然のことかもしれませんが驚きでもあります。
経験、体力、社会的背景など、何一つ同じことがない人たちが集まっても、一つの目標に向かって協力しあえるのは、協力して為すために人間がすべきことの根幹が同じなのだと考えています。同窓会は同じ学び舎で時間を過ごしたことがあるということだけが共通した組織でしかありません。それでも、集う会を同じ目的で毎年異なる形式で 7 回開催できたという事実は、目標を立てて実行していくという活動の根幹が変わっていないということを意味しています。学生の皆さんにとって、イベントを企画するという活動は、個性・能力・進路に関わらず貴重な経験となると信じております。学生の皆さんが主体的に参加できるよう、一層の工夫を推進していきます。
○ ファミリー
青山学院は幼稚園から大学院まで有していますから、長くその環境で過ごした方から、ほんの少しの時間を過ごした方まで、その関わり方は様々です。経営システム工学科同窓会は入学と同時に同窓会の会員となります。卒業生でなくとも少しでも関わられた教職員の皆様にも会員としてイベント参加へのお声掛けをしております。これまで同様、経営システム工学への関わりの長さや深さではなく、何を実現したいかを同窓会運営の軸として参ります。また、全く異なる道へ進まれたと思っていらっしゃる方も多いかと思います。同窓会には貴重な存在なのですが、遠慮されているように見受けられます。そのような方々が一人でも参加されるようなアイデアを創出して参ります。
理工学部は、私もそうですが、以前は世田谷キャンパス、今は相模原キャンパスで学生時代を過ごします。他の学部・学科とは学生時代の生活環境が異なります。それでも、他の学部・学科の同窓会と共通の課題を持っており、より活性化していく必要があります。 2013 年以降、同窓会活動を再構築すべく集う会を始めましたが、今後は同窓会を横断した企画の創造をしようと考えています。
経営システム工学科らしく、年々改善を積み重ねつつ活動を発展させていくのはもちろんのことですが、新たな挑戦として、その活動を標準化し同窓会活動のモデルとして確立していきます。ご支援、ご協力をお願いします。