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部会・同窓会
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大学経済学部同窓会

Vol.3-2 「身に染みて感じた心の優しさ、思いやり」 山崎 清貴(1977年卒)

2020.12.10 更新
2015年8月28日午前5時半に高速バスでJR徳島駅に到着、高徳線6時4分の電車に乗り5駅先の四国八十八カ所霊場の第1番札所・霊山寺のある板東駅に向かいました。四国は生まれて初めての地です。

板東駅に着いて改札口を抜けると待合室には地元の年配の男女ふたりがいらっしゃいました。年配の女性から突然手渡されたのが手作りの布製ポケットティッシュ入れ。おそらく何十年も毎朝お遍路さんが着くのを待って渡しているのだろうと。男性は参道で民宿を営むご主人。7時のお寺の開門まで時間があるので宿に連れて行かれお茶を振舞っていただき、お遍路の「いろは」を教わりました。本で前知識はあったものの、初日からまさかの「お接待」でした。

四国にはお遍路さんに食べ物や飲み物などを無償でもてなす「お接待」という風習が根付いています。お遍路さんは「同行二人」、お大師(空海)さんと共に巡っているとされていて、地元の人たちは功徳を積んでご利益を得ようとお遍路さんに託します。歩いているとご年配の方から手を合わされることは幾度となく。35日間の修行の旅で、道すがらさまざまな「おもてなし」を受けることになります。

(当時のFacebook投稿より抜粋)

通学途中の児童・生徒・学生からは「頑張ってください」と声を掛けられ元気回復……橋の上で女性が自転車を停めて買物カゴからバナナを1本もぎ取って渡してくれてエネルギー補強……札所でお遍路さんを待っていたおばちゃんに菅笠が歩いているうちに弱るからと言っててっぺんをガムテープで補強してもらい、暑さ対策に塩までいただいた……札所で一緒になった愛媛の車お遍路の女性から別れ際に渡された冷たい100%オレンジジュースの美味しかったこと……愛媛今治では後ろから女性が追っかけてきて「私が作ったタオル、持って行って」と早速汗を拭う……等々、数え切れないほどの心厚き恵みを授かりました。こんなこともありました。年配の女性に「こんにちは」と声を掛けたら、返事もなく自転車に乗ってこれから歩く方向へと立ち去ってしまいました。「つれないなぁ」と思いながら歩を進めると、女性が自宅の前に立っていて冷えたペットボトルを何も言わずに差し出しました。出会った場所が自宅ではなかったので慌ててその場を立ち去り私を待っていてくれたのです。この時は涙が出るくらい嬉しかったことを思い出します。

疲れ切った体や心が癒され、最後まで諦めずに全踏破できた一番の要因は、自分の力よりも全行程で出会った「こころ優しき、こころ厚き人たち」でした。5年経った今でもその場面は目に焼き付いていますし、感謝の気持ちは一生忘れることはないでしょう。

此の地の人たちは先祖代々からおもてなしの精神風土が自然と身についていて、素直に気持ちを表せるのだろうと実感しました。

現在コロナ禍で困難な時期に迷い込んでいます。今だからこそ人への優しさ、思いやりが大切なんだろうと思います。何か感じ取っていただければ幸いです。(完結)

所属:小林望ゼミナール(経営学部・都市開発)・古美術研究会



おもてなしその1、青龍寺で女性からいただいたオレンジジュース



おもてなしその2、菅笠てっぺんの補強と今治タオル



伊予久万高原から雲の下の松山市に一気に駆け下ります



溜池の多い讃岐ですが、溜池に朝陽が映えます



第85番札所八栗寺は山水画のようです



山登り以外はハーフパンツにTシャツ姿
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