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第41回講演会(オンライン講座)「落語家への道 落語の魅力」開催報告
2021.02.02 更新
講 師:三遊亭遊史郎 師匠(青山学院大学文学部英米文学科 1992年卒業)
開催日時:2021年1月23日(土) 14:00~15:30
コロナ禍により2020年度に予定しながら出来なかった活動を補うべく、Zoom Webinar方式による初のオンライン講座を試みました。講師として同窓の落語家三遊亭遊史郎師匠をお迎えし、上質な笑いと粋な芸によって、長引くコロナ禍で疲弊した私たちの心が癒され、元気を得られるようにと企画しました。
昨秋からリモートで準備を進め、本番ではカメラ・マイク・ライトなど師匠へのサポート態勢を整えて配信する予定でしたが、緊急事態宣言発出で、パネリストもスタッフも、全員が自宅でパソコンを操作することに。練習もリハーサルも自宅から、新しいトラブルが生じる度に、一つずつ解決を図りました。師匠は、インタビュー・落語・三味線の弾き唄い・落語・質疑応答の画面切り替えの都度、自らパソコンも操作するという離れ業をこなされました。幸い本番はトラブルなしで進行できましたが、実は全員が緊張と不安に耐えていたのです!待ち受け画面や番組表のデザインを手作りし、出囃子などの音声も工夫しました。
インタビューで、師匠ご自身について、そして落語について語っていただきました。英米文学科に学び、落語家の道に進んだ理由は、もともとお笑いが好きで、落語研究会に入部し、本格的に目指したとのこと。英語のヒアリングが、江戸弁の落語を真似て学ぶのに役立ったそうです。古典落語には台本が残されておらず、弟子は師匠のお手本を聴き、台本を自分で文字に起こして、「三遍稽古」と言うほど徹底的に練習するとのこと。4年間の前座、10年間の二ツ目時代を経て真打になるまで、「守破離」という伝統芸能に特有の過程で、師匠の型から次第に自分の色を出し、自分の型を作ってゆくというご説明。落語の魅力とは、落語は英雄譚というよりは庶民の失敗談であり、失敗する人生でもよいではないかと、弱者の心に寄り添う話芸であること、というお話に感銘を受けました。
古典落語の「お血脈」は、善光寺の由来を語った後に、寺に伝わる、罪を消して極楽往生を許す「お血脈の印」が流行ったために地獄が不景気なので、ご印を盗むようにと閻魔大王から指名された石川五右衛門が、盗み出すや喜んで額に押し当てると、やはり極楽に行ってしまった、という噺です。師匠は、講談の語り方との違いを示しながら、落語的な視点の面白さを強調。次に、江戸端唄末広会の師範でもある師匠は、自ら三味線を弾きながら「梅は咲いたか」・「茄子と南瓜」・「から傘」・「奴さん」の四曲を披露。最後に、冬の寒い時期にふさわしい古典落語の「ふぐ鍋」。「ふぐは食いたし命は惜しし」の心理が、身振り手振りも面白くリアルに表現され、思い切り笑えました。師匠が言われたように、まさに「笑う門には福来る」、ナチュラルキラー細胞を増やせました。
上演後の質問コーナーで、私の背景の青山キャンパスの写真を懐かしいとの、スウェーデン在住の方のご感想をご紹介しながら、ライブで世界中を繋ぐオンラインの威力に驚嘆。オンラインでは、観客の笑いや拍手が聞こえない状態で間を取る難しさがあるのではないかというご質問には、受けを想像しながら行い、今後は無観客でのオンライン落語も増えるだろうと予想しているとのこと。
初のオンライン講座には、約150名の同窓会会員・非会員の同窓生が登録され、ライブ配信を見逃した登録者には、1週間限定でアーカイブ映像をご覧いただきました。今後の同窓会活動への試金石となる有意義な機会となりました。同窓会は、コロナ禍の厳しい現況で、対面の活動再開に備えつつ、今出来ることを創意工夫しながら、交流を絶やさない所存です。今回Zoom参加に挑戦なさった方々には、新しい世界を知った喜びを、未経験のご友人にお伝えいただければ幸いです。今後とも同窓の絆を固く結び続けてまいります。 (会長 佐野弘子)