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第30回セミナー開催報告
2016.08.12 更新
第30回セミナーは 斎藤修三氏(青山学院女子短大教授)の3回にわたる連続講演(6月1日、29日、7月19日)だった。
アメリカ大統領選でトランプ候補の主張する「メキシコ国境に壁を作る」で話題になったヒスパニック系、特にメキシコ系移民(チカーノ)のコミュニティの成立の歴史的背景と現在の社会状況を解説していただいたのは、かつて学んだアメリカ史およびアメリカ文学史ではほとんど扱われなかったテーマ・題材であり、新鮮な内容であった。
元々は移民が作った国であるアメリカなのに、その人種の違いによって差別される形になってしまった歴史的経緯があり、「メルティング・ポット」(人種のるつぼ)はさまざまな移民の混在を指してはいるが、必ずしも各人種が対等な立場ではなく、白人優先が前提になったものだという。増え続ける移民の言語教育対策としてEnglish Only(英語に同化させる)とEnglish Plus(英語だけでなく元の言語の学習も認める多文化主義)の対立があるが、いずれにしても画一化を目指すものであり、なかなか目論見通りに進んでいないようだ。
このような流れの中で、白人主流のHistoryに対して周縁からの対抗文化としてChicano Historyが提起されてきて、抑圧された見えない存在であったチカーノの人々が、公民権運動を機に発言し始めて、それが文学(詩・短編小説)、音楽、映画などの形をとって表れてきているとのことである。
3回とも映像を効果的に使って話されたが、中でも、メキシコ国境のある地域の、アメリカ側とメキシコ側のあまりにもはっきりした差(貧富、環境の違い)が強く印象づけられた。