ホームページがリニューアルしました。
新ホームページは
https://www.alumni-aoyamagakuin.jp/englishdept/

部会・同窓会
このサイトでは、大学英米文学科同窓会の活動についてお知らせしています。
大学英米文学科同窓会

会報「Aoyama Sapience」第34号

2015.12.24 更新
会報「Aoyama Sapience」第34号を発行しました。会員の皆さまには12月14日に送付しました。



――― 下は第34号2ページより ―――

第22回青山学院大学同窓祭2015年9月23日

公開講座 講師 若林麻希子氏(青山学院大学文学部英米文学科教授)

「Dutch New York----知られざるアメリカの起源」

 今年は快晴に恵まれ期待が高まる。講座は11:30開始。聴講者約70人。講座に続いて茶話会。参加者約20人。様々な話題が行きかう。

 本講座は、オランダの北米植民地がどんなものであったか、合衆国にどんな影響を与えたか、その植民地を軸としてアメリカ文学を見た場合、何が見えてくるかを考えることであったと思う。ビデオや写真も使われて理解の助けとなった。

 New Netherlandは1624年から1664年まで40年しか存在しなかったし、その記録文書は解読がむずかしかったので広く知られることがなかった。近年になり沢山の記録の原本がでてきて研究されるようになった。

 毛皮の交易のために最初に北米に送り込まれたのは30家族と言われている。それらの人々は宗教的難民であった。植民地の安定をはかるため様々な人が送り込まれ、1640年には今のマンハッタンの地に様々な言語を使う400人ほどの住民がいて毛皮取引の拠点として極めて商業的性格の強い植民地となっていた。コミューニティとしては結束を欠いていた。

 毛皮の交易による利益も上がらなくなり、植民地に有用な人材が集まらなくなり、1664年にイングランドの植民地に占領されて消滅する。

 この植民地は短い存在ながら近代資本主義の基礎を築き、政教分離を可能にした宗教的寛容さや多元的文化を育て後の世に残した。

 Washington IrvingのRip Van Winkle(1819)は独立革命を強烈に劇的な出来事として描いた物語と考えられているが、New Netherlandに軸足を下して読んでみると、『物語の舞台は、オランダ植民者によって築かれた由緒正しい村』であり、Ripはそこの住民である。しかしRipは自分の出自を見失っていて、偶然出会った『Henry HudsonとHalf Moon号の乗組員の一団を奇妙で異国風であると感じている』。しかしRipがその経験を村人に話聞かせているうちにその村がオランダ起源であることが思い出されてくる。つまりこの作品はオランダ系植民者が自分たちはオランダ起源であることを思い出しオランダ系のコミューニティとして結束する物語とも言える。

 New Netherlandに関する記録がやっと研究されるようになった。その研究を基にして別の文学作品をも読んでみたい気持ちになった。

(『…』は先生のハンドアウトからの引用)

(広報  澤田 隆 '63年卒)




PageTop
  • 賛助会費納入サイト
  • 住所等変更手続
  • 校友会グリーンエリアご利用案内
  • 校友サロンのご紹介
  • イベント一覧

リンク

  • 青山学院オフィシャルサイト
  • 青山学院へのご支援をお考えの皆様へ
  • 宗教センターのご案内
  • 青山学院大学
  • 青山学院女子短期大学
  • 青山学院高等部
  • 青山学院中等部
  • 青山学院初等部
  • 青山学院幼稚園