先日開催された産業勉強会のまとめは以下の通りです
【講演者】浅原秀介氏 94年卒(4期OB)
【テーマ】
我々がこれからもつべき経済知識と正しい資産運用のススメ
?日本と海外における価格差を知る?
【講演内容】
日本は戦後、高度経済成長を経て1980年にはGDP世界2位の経済大国に上りつめた。しかし、1991年のバブル崩壊以降、『失われた20年』と言われているように成長が鈍化。直近20年の物価上昇率をみると、日本は年平均0.1%といわゆるデフレだったのに対し、アメリカは年2.2%インフレと20年で物価は約倍=貨幣価値は約半分へ。このドル円だけを見れば本来1ドル50円ぐらいの円高になっていてもよいのだが実際はそうはなっていない。日本は産業構造上円安が好まれるからか?
円の実効為替レートに関しては、この20年で半分へ。要するにこの20年何もしていない日本人の資産は、世界標準でみると世界に対して半分の価値になってしまったわけである。この状況下において、正しい経済知識を持ち、自身の資産を自身の責任において守っていく、または増やしていく事は非常に重要になっている。
資産運用の定義とは、お金を生む機能を活用することである。ロバートキヨサキによれば、資産運用では、お金の流れが重要で人には2つのタイプがあるという。まずお金に困らない人(資産家等)はお金を生むもの、いわゆる「資産」(株・債券・不動産等)を増やす事を意識している。資産は収入を生み、その収入の一部でまた資産を購入し、それがまた収入を生み・・・資産が資産を生んでいく流れを持っている。一方普通の人(お金に困っている人)は、一生懸命「収入」を増やそうとする。しかし収入の増加に伴い支出も増えるため(パーキンソンの法則)、結局いつまでたってもお金持ちにはなれない、結局お金のために働くのである。従って資産とは何か、どの資産がどのぐらいの収益を生むのか(株式、債券、預金といった資産の特徴など)を理解して活用していくことが重要である。
しかし資産運用には必ずリスクが伴う。うまい話はどこにも無い。取ったリスクの対価がリターンだからだ。(リスクとリターンはトレードオフの関係)『価格変動リスク』『物価上昇リスク』『流動性リスク』は資産運用のおける主たるリスクだが、どのリスクをどの程度取れるのか、取るべきか、これはその人の財務状況や運用目的によって違うので、しっかりとしたリスクマネージメントの中で決めていく必要がある。
資産運用におけるリスクマネージメントの方法として
1)定額積立投資
2)長期分散投資
3)オフショア投資
は是非取り入れたい手法でまずはできるところからはじめていくのがよい。
普段の生活における様々な事柄を、重要性と緊急性で分類した『時間管理マトリクス』によると、資産運用は第二領域(重要度が高いものの、緊急度が低い)に属する。第二領域は緊急度が低いため、ついつい日常的に後回しにしがちだが、将来最も価値を生むのも実はこの第二領域である。(健康管理、後継者の育成といったことも第二領域) 従って資産運用に取り組むタイミングによって、将来の人生の豊かさも大きく変わってくる可能性が非常に高いので、早い段階で正しい経済知識を身に付け、資産運用を自分のこととして捉え、行動することが大事である。