青学大、創部９５年目の初タイトル！４区・大谷、区間新「神風吹いた」…出雲駅伝

初優勝、青学大・出岐がバンザイしてゴールイン

　◆出雲全日本大学選抜駅伝（８日、島根県・出雲大社前?出雲ドーム前＝６区間４４・５キロ）　青学大が大会新で創部９５年目で初めて学生３大駅伝を制した。３回目出場の青学大は３区の大物ルーキー・久保田和真（１年）で首位に立つと、４区の大谷遼太郎（４年）が区間新記録の快走。アンカーでエースの出岐雄大主将（４年）も安定した走りで、東洋大、駒大、早大の３強を寄せ付けず２時間９分４１秒の大会新で優勝した。全日本大学駅伝（１１月４日）は予選敗退し出場権がなく、来年１月２、３日の箱根駅伝（報知新聞社後援）で２冠に全身全霊をかける。

　出雲路がチームカラー「フレッシュグリーン」の新風に包まれた。ゴール手前の出雲ドームへの入り口。青学大のアンカー出岐は、何度も後ろを振り返った。ライバル校は見えない。勝利を確信すると自然に笑みがこぼれた。仲間の待つゴールに両手を上げて飛び込むと、胴上げが始まった。笑顔と涙があふれるチーム初の３大駅伝優勝。エースは「今までで一番うれしい」。天高く３度、宙を舞った。



　全国の神々が集結する「神在月」。出雲大社目指し神が歩んだ道が青学大に味方した。前半区間は時折５メートルを超す向かい風だった。スピード自慢の選手がそろうライバル校は、思うように力を出し切れない。そこで１区の小椋、２区の藤川がライバル選手を風よけとしてうまく利用し、上位をキープ。３区のスーパールーキー久保田でトップに立つと、あとは独走だった。２年前の早大が出した２時間１０分５秒を２４秒更新する大会新記録での初タイトル。原晋監督（４５）は「神風が吹いたね。僕が思っている以上に強かった」と選手をねぎらった。

　長い目での強化がしっかり実った。大学が０４年に強化スポーツに指定した際に就任した原監督は「１０年で駅伝の優勝争いをする」と公約。５キロ走のあとに８キロ走を課すなど、自身が所属した中国電力で培った実業団式練習法でチームをつくり直し、就任５年目の０９年箱根駅伝に３３年ぶりの復活出場。１０年以降はシードを守り続け、強豪校の仲間入りを果たした。学校側も強化を後押し。今年に入り、神奈川・相模原キャンパス内にトラックとクロカンコースを設置したり、アディダスと用具契約を結ぶなど、ハード面の充実が実を結んだ。

　６月の全日本大学駅伝の予選会では左足首を故障していた出岐らが不調で、１４位と惨敗し出場権を逃した。次に目指すのは箱根駅伝での２冠だ。４区区間新の大谷が「箱根駅伝の優勝は、夢ではなくて目標になった」と言えば、不調で練習不足だった出岐も「いい状態にして（２区区間賞を取った）前回よりいい結果を残したい」と闘志。箱根駅伝まで８５日。出雲王者は、更に強くなって、ライバル校を迎え撃つ。

青学卒業生の皆さん、これで新春の箱根が大いに楽しみになりましたね。

　◆青学大陸上競技部　１９１８年創部。４３年に箱根駅伝初出場し、来年１３年大会で１８回目の出場。２００９年第８５回大会に３３年ぶりに箱根本戦に復帰し、１０年に総合８位でシード権獲得。初の３大駅伝フル出場となった昨季は出雲１０位、全日本９位、箱根は過去最高の５位。タスキの色はフレッシュグリーン。寮は東京・町田市、主な練習場は神奈川・相模原キャンパス。男子長距離部員は４９人。

Yahoo/スポーツ報知 10月9日(火)8時3分配信 記事より

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121008-00000240-sph-spo