2018.05.23 更新
京都支部能楽鑑賞会
開催日:平成 30 年(2018 年)3 月 21 日(水)
訪問先:河村能舞台
参加者:14 名
今回の春の能楽同好会は、河村能舞台(上京区烏丸通上立売上ル柳図子町)を訪れました。当日の演目は「熊野(ゆや)」と「天鼓(てんこ)」でした:
「熊野(ゆや)」 平宗盛の寵愛を受けていた熊野は、命あるうちに一目娘の顔を見たいという老母からの手紙を宗盛に見せて帰郷を願い出ました。しかし、宗盛は熊野のことばに耳を貸さず花見に行くことを強いました。花見の宴で舞う熊野ですが老母への思いが募り、その心を和歌に認め宗盛に見せますと、ついに宗盛は熊野の帰郷を許したのでした。
「天鼓(てんこ)」 後漢の時代、天鼓という名の少年が持っていた鼓を帝が気に入り、その鼓を差し出すよう命じました。天鼓が断ったところ、天鼓は殺されてしまいました。それ以来、鼓は誰が打っても音が出なくなりました。困った帝は天鼓の父の王伯を召して鼓を打たせたところ、鼓は妙音を発したのでした。帝は心を動かされ、天鼓を弔ったところ、天鼓の霊が現れ、舞い遊ぶのでした。
河村能舞台は、京都では著名な能楽のお家元、観世流能楽師、河村晴久師、晴道師を中心とした河村家の能舞台です。岡崎の観世会館とは趣の異なる、庶民的雰囲気の能舞台でした。ところで、お能の世界は奥が深いもの、現実界(人間界)、霊界、神界と、ものがたりは広大無辺、神道の神様の名前もたくさん出てきます。まだまだ分からないことが山程ありますが、少しずつでもお能に親しんでいきたいと思っております。
(能楽同好会K世話役)