京都支部 能楽鑑賞会ご報告(2015年11月15日)
2016.01.17 更新
京都支部 能楽鑑賞会ご報告(2015 年 11 月 15 日)
京都支部能楽鑑賞会
開催日:平成 27 年(2015 年)11 月 15 日(日)
訪問先:新島会館 出席者:13 名
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藝術の秋、恒例の秋の能楽同好会は、K幹事のお手配で、新島会館(上京区 寺町丸太町;同志社校友会創立百周年記念会館)において、能楽師河村晴道師から「能面の魅力ー尉面と男面に見る中世の理想の男性像と彫刻の美」という 演題でお話しを伺いました。
能の演技表現の表に立つ能面。面を『おもて』と言うことにも、その深い意 味を窺い知ることができます。河村晴道師(観世流、シテ方)のお話しは、能 面の話から中世の三大美男子(在原業平 源融 光源氏)について、そして日 本文化の本質とも言える能楽の奥深さにも言及し、あっという間の2時間でした。
・ 翁面はご神体。
・ 初期の翁面は陰りのない神そのものの面、室町、桃山時代は力強く、粗野である、近世になると技術的に高いがダイナミックスさに欠ける。
・ 役者は面をつけると面が持っている魂が自分に乗り移り、自分にない何かが出てくる面にはそれを作った人の魂と何百年にもわたりその面を付けた役者の魂の集積がある。
・ 女性に大変もてた在原業平の面には陰りがある。人生に悩む男性というのが当時の理想の男性像だった。源融、光源氏もしかり。
・ 能は説明ではない表現を押し込み、様式化し、最後に残るのは精神性…日本文化の本質と言えるのではないか。
講話「能面の魅力」の内容に、参加者一同大いに感銘を受けました。また、 翁面(尉面)や業平の面をはじめいくつもの素晴らしい能面も見せていただき ました。講話会の後、会員の皆様と喫茶店に席を移してからもお話は尽きませんでし た。
文責能楽同好会 K幹