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京都支部

京都支部 秋の散策会(2015年10月13日)

2016.01.17 更新
京都支部 秋の散策会ご報告(2015 年 10 月 17 日)

京都支部 秋の散策会

開催日:平成 27 年(2015 年)10 月 17 日(土)

訪問先:京都文化博物館 出席者:17 名

 芸術の秋、食欲の秋、秋の散策会は、京都文化博物館で「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギ アーリの戦い』展」を鑑賞し、レストラン「セイボリー」にて昼食を頂きました。市内を始め、 神戸、大阪から校友の皆様がご参加下さいました。美術館の入り口では長身のS氏が青学のフラ ッグを持って看板塔のおつとめ、幹事の皆様が参加者に交じりながらご案内下さいました、心か ら感謝です。今回、参加されたお二人から次の通りご報告を頂きました:



(報告その一、K.O.様)

 天高く馬肥ゆる秋、芸術欲&食欲を満たすのに相応しい素晴らしい日和に恵まれ、京都 三条の駅を降り立ち、澄んだ空気を思いっきり胸に吸い込みながら、一路、京都文化博物 館に向かいました。

 道すがら、丁度一年前に思いを馳せておりました。青山学院大学学長をお招きしての『英 米文学科講演会』という一大イベントが京都で行われ、その懇親会や京都散策会の催しを 英米文学科校友会とコラボする形で、京都支部が全面協力体制で挑みました。京都支部の 威信をかけての試みに何か月も前から支部長を中心に企画準備に取り掛かり膨大な数のメールのやりとりをした事や幹部会議を開いた日々が懐かしく思い出されました。 つい一年前の出来事にも関わらず、もうずいぶん昔の事のように感じます。当時、結構 いろいろ大変だったような気がするのに思い起こせば、充実感や達成感といった楽しかっ た思い出ばかりが心に去来します。

 思い出に耽りながら京都文化博物館に着くと、ちょうど長老のK先生がMさんの車で到 着し、支部の幹事さん達がエスコートされているところでした。いつもながら京都支部の 連携のよさ!と感銘しながら私も合流させて頂きました。K先生は京都文化博物館鑑賞の 途中でお友達の個展にも顔を出し、また散策会のプログラムにお戻りになるとの事。相変 わらず超人的な先生!まことに活動的且つ精力的でいらっしゃいます。 皆様続々と定刻までに集合され、幹事さんが事前に用意して下さっていた団体割引のチ ケットとパンフレットを手に思い思いの作品の下に向かいました。

 

 さて今回の目玉は『日本初公開の「タヴォラ・ドーリア」の謎』と銘打たれたレオナル ド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展。16 世紀のフィレンツェで、レオナルドが 挑み未完に終わった大壁画「アンギアーリの戦い」 。本来、シニョリーア宮殿の大評議会広 間に飾られる予定だった壁画ですが、いまはそれも失われてしまった作品です。その作品 を忠実に再現した「タヴォラ・ドーリア(ドーリア家秘蔵の板絵)」には、その壁画の中心 部分であった「軍旗争奪」の場面が描かれていて、今回それが展示されていました。

 いろいろな識者の考察やレオナルドが手帳などに残した手稿、習作から、復元した絵や 3Dの模型が展示されていましたが、私にはもう一人、後姿の人物が描かれているように 見えました。解剖学に精通していたレオナルドのデッサンにしてはどうみても無理のある 不自然な構図に思えるからです。しかし、そういう説はどこにもみられず今でもその点は ちょっと腑に落ちないままですが、そうした謎めいた部分も含め魅力的な作品でした。絵 画、彫刻、建築、音楽、科学、数学、工学、発明、解剖学、地学、地誌学、植物学など様々 な分野に顕著な業績を残し、「万能人」 という異名で親しまれているレオナルドの残した 数々の片鱗がパズルのピースのようにちりばめられた展覧会でした。 どのピースが絵に使われたか?など検証していく楽しさもありダ・ヴィンチ・コードさ ながらのワクワク感で魅入っていると時間はあっという間に経ってしまいました。

 そのあと、歩いてすぐのところにお楽しみのランチ会場がありました。ビルの屋上に家 庭菜園を持つ,野菜を使ったオリジナル料理のお店SAVORY、このレストランのシェ フがなんとわが京都支部のSさんの御主人で、私たちのために特別メニューを用意しても てなしてくださいました。採れたて野菜と旬の食材を使って、味はもちろんのこと、芸術 作品のような美しいアレンジで、しかも健康にいいという 3 拍子揃ったすばらしいお料理 の数々に、皆さん舌鼓を打ちながら感服されていました。

 K先生も、笑顔でぺろりと完食。先生のお元気の秘訣は、何に対しても好奇心を抱き、 おっくうがらず人と交わり、美味しいものを楽しく食べる…まさにここにある!と思いま した。私も見習ってこんなふうに歳を重ねて行きたいなと切に思います。

 本当にすばらしい秋のひとときを満喫することができました。散策会を企画、実施して くださいました支部長をはじめ幹事会の皆様、そしてご一緒してくださいました皆様本当 にありがとうございました。心から感謝申し上げます(了)



(報告その二は、M.S.様)

 爽やかな晴天に恵まれたいち日、京都支部の秋の散策会に参加させて頂きました。京都 文化博物館にて「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』展」を鑑賞した後、 レストラン「セイボリー」にて昼食を頂きました。芸術の秋、食欲の秋を同時に満たして 頂ける素晴らしいプランです。

 「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』展」は、レオナルド・ダ・ヴィ ンチ未完の大壁画計画について様々な角度からその魅力や真実に迫っていて、大変見応え がありました。展示のハイライト『タヴォラ・ドーリア』を目の当たりにすると、両軍が 体当たりして土煙りが上がったその瞬間に立ち会ったような迫力に圧倒されます。 この絵を基に製作された立体像の展示では複雑な人馬の絡み合いが分かりダ・ヴィンチの 卓越した構図手腕を実感できます。筋骨隆々の人体表現がミケランジェロらしい『カッシ ナの戦い』の模写の展示もあり、未完とは言えこの二人が同じプロジェクトに携わってい たとは、考えるだけで胸の高鳴りを感じます。あわせて展示されている多くの画家達による模写は、後世の芸術家がこの大壁画にどれほど憧れ、影響をうけたかを物語っていると 思いました。現在はヴァザーリの新たな壁画にて覆われてしまいましたが、その下にまだ この芸術的でダイナミックな戦闘画が息づいているのか否か、真実を知りたいような謎の ままミステリアスな存在でいて欲しいような不思議な気持ちになりました 。

 15 世紀イタリアからの芸術の旅を終えると、現代の京都の中心地で美味しいフレンチを 頂く時間です。屋上菜園の見渡せる気持ちの良いお席で、シェフのお心尽くしのお料理を 堪能致しました。彩りも鮮やかな旬のお野菜がたっぷり使われていて、ヘルシーなのに満 足感のある、どんな年代にも嬉しいお料理の数々です。メインのお魚料理には、サーモン、 蟹、そして松茸も入った贅沢なひと品を供して頂きました。レオナルド・ダ・ヴィンチと ミケランジェロのコラボレーションにも負けない豪華なハーモニーを頂けて、幸せいっぱ いのランチタイムでございました。

 このような素晴らしい機会を作って頂きました京都支部幹事の皆さま、本当にありがと うございました。各自お忙しい中、企画、資料の作成、チケットの手配、そして会場の下 見等、様々にご尽力頂きました。私達が楽しい 1 日を過ごせるようにとのお気持ちを随所 に感じ、本当に有難いことと感謝の気持ちでいっぱいでございます。お陰様で思い出に残 る素晴らしい秋の 1 日を過ごさせて頂きました。誠にありがとうございました。 また皆様でお目にかかれます機会を心待ちにしております(了) 。

(寸評:「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』展」)

 フィレンツェの現ベッキオ宮殿の「五百人広間」の壁に 1503 年から 3 年をかけて試みられた レオナルドの唯一の戦争壁画「アンギアーリの戦い」ですが、未完成のまま 40 年から 50 年も の間、広間に放置されました。今回、本邦初公開の「軍機争奪」の場面は、その未完成の大壁画 の中心部分を模写したものといわれます。 この油彩画は、イタリア貴族の家に代々伝来したものがその後所有者を変遷し、東京富士美術館 が購入、その後、同美術館がイタリアに寄贈、そして同美術館が 2014 年から 2018 年まで日本 で展示する権利を得たことで今回の「アンギアーリの戦い」展が実現いたしました。あわせて展 示されている多くの画家達による模写は、後世の芸術家がこの大壁画にどれほど憧れ、影響をう けたかを物語っています。

以上
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