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京都支部

京都支部 クリスマス祝会報告(2012年12月8日)

2013.05.07 更新
京都支部 クリスマス祝会報告

開催日:2012年12月8日(土)

会場:レストラン菊水 出席者18名

 南座に顔見世のまねきが上がり、師走の人出で賑わう祇園四条のレストラン菊水にて、今年も京都支部恒例のクリスマス祝会が開かれました。

 昨年3月の大震災から早1年と9か月が過ぎようとしていますが、被害を受けられた多くの方々がまだ不便な暮らしを送っておられることに、心からのお見舞いと被災地の復旧復興を心から願うと共に、今年この会に参加できた幸せと、ご都合やお体の調子等でご一緒できない何人もの方々にも主の祝福がもたらされますように、皆さんと共に天の神様に祈りました。

 今年のクリスマス祝会には、13年前にご主人と一緒に東京でお仕事を始められ、以来2週間毎に東京と京都を往復する暮らしを続けて来られた短大教養卒のTさんが、13年振りにご出席いただけることとなり、小林前支部長が手書きで作成し残されていた当時の名札を再び胸に付けていただきました。また、経済学部卒大先輩のKさんは他支部の支部長様からご紹介によって初めてご出席いただきました。今年も、地元京都や近郊から、堺、大阪、そして世田谷からご夫婦でお越し下さいましたメンバーまで、支部の皆さんのお元気な顔ぶれにお会いすることができました。

 最初に全員での「きよしこの夜」を斉唱、伴奏は今年も堺市からお見えいただいた昭和18年高女卒、20年女専卒のO大先輩、よく通る美声とお得意のキーボードでこの祝会の賛美歌やクリスマスソングを主導し、演奏して下さるお元気なお姿にいつも大感激です。続いて、京都支部恒例のキャンドルトーク、クリスマスの夜に集まった人々がキャンドルの明かりのもとでお互いに物語を繰り広げるというイメージから名付けた京都支部独自のプログラムで、毎回参加メンバーの中のお1人にお話ししていただいております。今年は昭和26年女子専門学校国文科卒で、66歳になって再び大学に入り、あらためて古典の研究を続けておられるI大先輩から、平家物語「ミステリアスな部分を語る」というタイトルで、NHK大河ドラマ平家物語で語られなかった部分を解きほぐしていただきました。

 京都支部の皆さんと南座顔見世で観劇した歌舞伎の演目、佐々木小次郎高綱、石切梶原(梶原平三誉石切)、小袖曽我、この三つはいずれも平家物語に由来する日本の国民文学と言えます。源氏物語は貴族だけの文学でしたが、平家物語はそれまで貴族しか持つことの出来なかった「文学」というものが、初めて一般民衆に広く浸透することとなったということで画期的なもの、それは平家物語が目の不自由な琵琶法師によって全国津々浦々語り伝えられたことから、京都で起こったこの物語を、知らない地方は無いほどとなったからです。今日は、平清盛の長男の平重盛を取り上げます。鹿ケ谷での平家打倒の謀議を知った平清盛が後白河法皇を鳥羽離宮に幽閉するという事件を起こした時に長男の平重盛がそれを諌めて、「孝ならんと欲すれば忠ならず、忠ならんと欲すれば孝ならず」と言ったという場面、この言葉は戦時中に、親に孝行するよりまず忠義を貫くべしとの見本として、実は誤って利用されていたとのことです。さて、NHK大河ドラマの平家物語で、父の平清盛と長男平重盛の意見が対立し、重盛が清盛にすがりつき、「どうぞ私を殺してから」と涙ながらに訴えるという場面が放映されましたが、琵琶法師に語られた平家物語の原本である高野山の末寺の根来寺に伝わる平家物語諸本の中で最も古い「延慶本」の平家物語、この原本を読み進むと、実は重盛はそんなだらしのない人物ではないのですね。続いて、I大先輩による物語の一節の朗読を清聴しました。さて、(父清盛入道が法王を幽閉するという知らせを聞き)内府である長男重盛は京都中の家来に対し、自分は法皇方に付くから自分に付く者は直ちに家来を集めて六波羅の小松殿に参ずべしと伝えさせたところ、侍三千人など全ての侍郎党約二万七千八百余騎が急ぎ集まったのです。重盛は、武士の勤めは天皇家をまもること、父清盛の権勢の下で自分が天皇方に付くと言ったらどれだけの味方が集まってくれるか実は大きな賭けをしたものでしたが皆が集まりました。これによって重盛は、父である清盛に誤りを悟らせ、間違った心を諭すことができたということで本当の意味での親孝行が出来ました、また、天皇一家をお守りすることもできました。忠と孝とは本当は相反するものではない、その昔、中国の文宣候が忠と孝とは一つのものだと言った教えに間違いは無かったんですね。後白河法皇は、自らが鹿ケ谷で平家を打倒しようと計ったのに重盛は平家打倒を画策した張本人である法王の味方をした、重盛は仇を恩で返した、重盛にはかなわないなぁと法王は語ったそうです、というのが「延慶本」に書き記されている重盛の真実で、NHK大河ドラマで描写されたような姿では全く無く、実に立派な侍だったんですね。歴史の真実は奥深いもの、大先輩のお話しは簡潔で分かり易く、興味がいっぱい湧いてきて、時間が経つのがあっという間でした。

 続いて賛美歌「もろ人こぞりて」を斉唱。4年振りにご出席のSさんは、恥ずかしながら立ち上がってきちんと声を出すのは久しぶりで、前のクリスマス祝会以来の賛美歌でしたが、案の定ちっとも声は出ませんし、もともとアルトなのがさらに低い声になってしまって、高音域では不協和音にならないようにとご遠慮したり・・・先輩方の美しいソプラノに感心しながら学生時代を懐かしく思い出しておられたとのことです、声を出すと若返りますよね。スクールフラッグを中心に記念撮影、全員の健康と神の恵みに感謝し、フランス料理をいただきながらの懇親の会に移りました。

 この冬、京都でもノロウィルスがいろんな場所で発症して、皆さん何となく気になっていたところ、今回初参加のK大先輩が、会食に先立ってノロウィルス感染とウィルス対策の実際を、事例を交えてご披露下さり、出席した全員が思わずなるほどと頷きました、そのK大先輩は、何と、「ホテル青山会」の元会長さん、長年現場に携わられた方ならではの貴重なお話に感銘致しました。と、同時にそれを受け止める皆さんの見識の高さにさすがは青山のOBOGと胸のすく思いがしました。お食事も菊水の社長様が「渾身の力を振り絞って」の力作だけあって「やっぱり京都の老舗料亭のお料理はこうでなくちゃ!」というお味で大変満足いたしました。

 キャンドルトークのI大先輩、物腰もやわらかく、心優しく夢見る乙女のような女性らしさを醸し出し、とても魅力的な輝きを纏っていらっしゃるところが素敵です。今夜は雨模様、しかも夜の外出にふさわしく、運動靴にビニール傘、防寒服といった安全性、機能性を重視した出で立ちでクリスマス祝会のお出ましになり、到着後、持参されたハイヒールにスカーフ、エレガントな装飾品を身に着け一瞬にしてパーティー仕様に見事変身!これぞ賢者のおしゃれ!と感銘致しました。また、堺からご参加されたO大先輩もキーボードを事前に会場に託送され、京都に1泊宿泊され無理なく安全に留意されて…と将にその賢者のスマートさにまたまた感銘致しました。いつも、この会に寄せて頂くと、自分が皆さんの年齢になったとき、果たしてこんな風に、元気で聡明にはつらつとしていられるかしら?と自問自答しています。いつも諸先輩方に触発され、啓発され、後輩に刺激されて、ありがたく感じております。この支部は様々な出会いと発見がいっぱいです。

 最後のお楽しみのプレゼント交換、皆様、楽しいひととき、そしてたくさんの夢と希望をありがとうございました。初参加のK大先輩、久々のTさん、そして皆様方、これからも京都支部の集まりでお目にかかれますように。強風で電車が不通となって参加できなかったTさん、次回は是非お会いできますように。

 来る新たな年の健康と再会を約しつつ賛美歌を全員で斉唱して今年のクリスマス祝会もお開きとなりました。

 Oさん、Sさん、報告のご協力ありがとうございます。









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