★多治見市モザイクタイルミュージアム
第12回国際陶磁器展美濃陶磁器デザイン部門の審査委員長の建築家・藤森照信氏がデザインしたミュージアムです。まず、外観に驚きました。この驚きに似たような記憶をたどって見たところ、浜松市にある秋野不矩美術館を思い出しました。ここは小高い丘の上にあり、初めてたどり着いた時の印象にインパクトがありました。この斬新的な建物が街中にあったら違和感を感じますが、そこはお見事、違和感は感じません。全体を活かすため、緩やかな斜面を下っていくと扉があるため、既存施設との調和、色彩、彩光等すべてパーフェクトです。構造上4階までありますが、中の構造、展示物もお見事の一言、必見です。
★土岐市美濃陶磁歴史館
小山冨士夫と美濃?昭和の窯業界のあゆみとともに?の企画展開催中で、小山の陶芸家荒川豊蔵との交流や陶磁器デザイナー日根野作三の活動などが紹介されており興味深いものが多々ありました。さらに初代土岐市長の二宮安徳氏の功績(昭和30年に土岐市が誕生、初代市長から5期20年の市政運営の中でも美濃の焼き物対する思い)が今日も脈々と繋がっていることがわかります。
また、同館が発行している『美濃陶磁歴史館だより』も何号かもらってきましたが調査研究がしっかりしています。学芸員の意識も高いことでしょう。さらに、こんな出会いがありました。東濃地区博物館等連絡協議会第165回岐阜県博物館協会公開講座のチラシが目に留まりました。「おかえり、蓑虫山人!」の魅力を作家と写真家が語る講座の内容です。この蓑虫山人(美濃国生まれの放浪の絵師です)は、私の住む安八町出身です。
美濃焼を知るには欠かせない資料館の一つです。
★可児市荒川豊蔵資料館
私の国際陶磁器フェスティバル美濃’21は、この資料館から始まりました。荒川豊蔵の遺志を受け継ぎ、偉業を世に広めていくと共に、作品とそれぞれを生み出した源である美濃桃山陶の聖地として知られるからです。
土岐市美濃陶磁歴史館での小山冨士夫との交流の話も、この資料館を観てからのことであり、頭の中で美濃焼地図を描きながらの鑑賞旅となりました。
青山岐知会報第5-1号はこのあたりで筆休めとします。
(報告者 山北)