コロナウィルスというウィルス台風は衰えるどころか依然として猛威を振るったままです。一方、天気の方は猛暑が続いていたかと思えば、大雨警報など警報・注意報連発の悪天候が続いていました。
こうした中、2021(令和3)年8月29日に予定通り、第1回岐阜を知る会を開催しました。
今回の岐阜を知る会では、根尾谷の菊花石と、武人・茶人の古田織部誕生の地である本巣市をテーマにしました。
岐阜を知る会に参加したくても出来なかった校友のためと、岐阜の良さを知ってもらうため情報発信と報告を兼ねた「青山岐知会報」の形で岐阜県支部のホームページに掲載することにしました。第1号では菊花石を、第2号では古田織部を取り上げます。
石の中に菊のような模様があることから、名付けられたという菊花石。その菊花石は今からおよそ1億年前、海底火山の噴火によって生成されたといわれています。
その中でも本巣市の根尾谷で産出されるものは、自然が織りなす超絶技巧の美しさから鑑賞石の最高峰といわれています。最高峰の菊花石が産出される本巣市内で唯一菊花石を販売している「根尾谷一石庵」を営むのが石川隆直校友(85法)で、今回指南役を務めていただきました。
参加者は奥原郁夫(76法)、桑原基明(80法)、山北一司(86経営)に石川指南役の総勢4名でした。
集合場所の「一石庵」で、菊花石の見分け方、拾い方などのレクチャーを受け、そこから車で10分程度で、石川指南役のお奨めの場所に移動しました。この辺りはまったく人の気配がせず、1週間ほど前の大雨で菊花石が見つけられるのではと期待が膨らんでいました。
川の流れは急で、浅瀬から腰あたりまでの深さもある川の中、参加者にとっては生まれて初めての菊花石探しが始まりました。これは?と思えば、石川指南役に確認してもらいました。普通の石が菊花石に見えてしまう、思えてしまう初心者の思惑が先行し、残念ながら初参加組は収穫なしという結果に終わりました。
それでも負け惜しみではありませんが、菊花石の採石以上に、川岸に流れついていた鹿の角の収穫、童心に還れたこと、コロナ下で無菌状態の自然の空気に触れられ鋭気を養うことが出来たこと、こんな機会がなかったら一生川遊びなんかできなかったのではと心に菊の花が咲いたような気分になれたこと―などは大きな収穫でした。
石川指南役は今こそコロナで中断していますが、4年ほど前から、菊花石の解説や川原での石拾いなどを行うイベント「探石会」を定期的に開催されています。皆さんも機会があったら参加できます。
連絡先等は次の通りです。
〒501-1524 岐阜県本巣市根尾板所477-1、電話090-6611-5374
Facebook:菊花石「一石庵」Instagram:neo.kikuishi
せっかくの機会ですから菊花石について紹介させていただきます。
岐阜県本巣市根尾で産出される菊花石(きっかせき)は、その美しさと味わいの深さから鑑賞石の最高峰と言われ、国内外で根強い人気を誇っています。その名は、輝緑凝灰岩(シャールスタイン)の中に放射状に広がった模様が菊の花に似ていることに由来していますが、その成因に関しては、愛石家の間でも意見が分かれています。海外でも、米国、中国、韓国等において、国内では、北海道から九州まで、花状の模様が見られる石はいくらか存在しますが、形状や色合いなど、根尾で産出される菊花石が極上とされています。産地である根尾松田地区の一部は、昭和16年に国の天然記念物に、昭和27年には特別天然記念物に地域指定され、その場所での採掘や採石は、それ以降禁止されていますが、現在も、その指定地域以外から、良質の石が産出されており、ますます希少価値の高い、高価な銘石となっています。
鑑賞以外としては、美容と健康のためのマッサージ用「カッサ」やペーパーウエイト(文鎮)、さらには、ペンダントトップなどにも加工されて人気があるそうです。
尚、本年10月?12月までの間、JR原宿駅前の「ウィズ原宿」特別企画GIFU premium で菊花石(カッサ)の販売が予定されています。
(幹事:山北記)