まさかこんなに早く、あなたの追悼文を書くなんて事は夢想だに
いたしませんでした。
だって、亡くなる一ヶ月前迄ゴルフを楽しんでいた訳だし母校の
箱根駅伝への期待を熱っぽく語っていたんですから
そんなあなたが危篤状態にあるとの連絡を受け、びっくりして
病院にかけつけたのですが、すでにあなたは人事不省の状態にあり
最後の会話をかわす事は叶いませんでした。
亡くなる前日の事です。
想えば、あなたとは高校・大学の同級生という事だけではなく
大学男子寮(常青寮)の寮生仲間、加えて応援団リーダー部の仲間と
4つの共通項を持つ、私にとってはかけがえのない親友でありました。
つねに笑顔を絶やさない穏やかな語り口、豪快な笑い声、寮生活の
語らいの中心にいたのは決まってあなたでしたし、あの厳しい応援団の
合宿生活に安らぎを与えてくれたのもあなたでした。
こうしたあなたの人柄については多くの人が知るところでありますが、
今一つ私が大きな敬意を払っていたのは、誠意、根性、粘りを身上にした
あなたの渉外能力の高さです。
実際こうした能力は学生時代から遺憾なく発揮され、応援団の新入団員
勧誘で見せたあなたの実績は他の追随を許さぬ抜群のものでありました。
そんなあなたが就職先に県内のトラックディーラーを選んだと聞いた時は
まさに適職を選んだなと喝采を送ったものでした。
入社後は当然の事ながら好業績をあげられ役員に迄昇進されたのも
むべなるかなと感じた次第です。
旅行にもよく行きました。
これ迄に80回以上はご一緒したでしょうか、あなたの話を聞き乍らの旅は
楽しいものでした。
そして、さる5月25日、最後の旅行として、あなたの写真を胸に、
神宮球場へ母校の野球の応援に行ってきました。又、その足で常青寮の跡地
に建てられた「ここに男子寮あり」の石碑を見に行ってきました。
裏に寮生仲間として、二人の名前も刻まれています。
之で死後のお務めを一つ果たせたと少し満足しています。
最後に、どうか安らかにお眠り下さいと心に思い筆をおきます。
松山直次 記(昭35年経卒)