私が所属している電子情報工学科では、専門教育を担当する専任教員10名が各自で研究室を運営しています。研究室運営は試行錯誤の連続ですが、米山先生が研究室を切り盛りする様子を見ながら学ばせていただいた経験が基礎になっています。
私の研究室では主に自然言語処理をテーマとした卒業研究を行っていて、今年度は9名の学部生が配属されています。大学院に進学する学生は学科全体で2名程度と大変少なく、現在私の研究室には大学院生はいません。必然的に毎年学生が入れ替わることになり、学生と一緒に歯ごたえのある研究テーマに継続して取り組むことができないことが目下の悩みです。
散らかった研究室でカピバラさんも健在です
学生部屋から藻岩山が見えます
■最近の活動
それならば独力で研究を進めるしかない!というわけで、青学時代に始めたオノマトペ研究(*)をコツコツと続けています。幸運なことに、オノマトペに興味をもってくださる研究者が身近にいたため、今はチームで研究することができています。当面の目標は、オノマトペの語義と用法を体系化したデータベースを構築することです。自然言語処理の分野では大規模言語モデルが話題の中心ですが、私たちは個々の言語現象を詳細に分析して工学的な応用につなげるアプローチを好んでいます。昨年は、これまでの分析をまとめた内容を早稲田文学の特集「オノマトペにもぐる/オノマトペがひらく」に寄稿しました。外部資金もいただいている研究ですので、広く社会に成果を還元する機会が得られたことをありがたく思っています。
*「オノマトペ」とは
自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語。
音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など。
→イギリス onomatopoeia フランス onomatopée 「オノマトペア」とも言う。
出張先で共同研究者と打ち合わせ
オノマトペの特徴について寄稿しました
こちらに来てから、入試や大学運営にかかわる業務、学生対応の多さに目を回しています。助手・助教の頃は教育・研究に専念させていただき、恵まれた環境にいたのだと気づかされました。オープンキャンパスや市民公開講座、出前授業といった広報活動は、学生確保のためにもこれからますます重視されると思われます。今は教務を担当しているため学生と面談する機会も多く、自分が学生だった頃よりもきめ細やかなケアが必要だと実感しています。
オープンキャンパスではもっぱらaiboの飼育係です
「文字数の制限はありません」のお言葉に甘えて長々と失礼しました。札幌にお越しの際は、ぜひお声がけいただければと思います。時節柄、くれぐれもご自愛ください。