1982年世田谷キャンパスでのお祭りプログラム
当時の理工学部長三輪先生のご挨拶です。
世田谷祭によせて
理工学部長:三輪修三 1982年記述
春薫る初夏、すべて生を持つものが内からほとばしり出る活力を覚えるこの候に、学生諸君の企画によりまして第3回世田谷祭が催されることを心からお慶び申し上げます。
世田谷祭は、理工学部の年中行事のうちでも学生が主催するものとして特別の意義を持つものですが、学生諸君の熱意により年々活況の度を加えているのは周知のとおりであります。学生時代、それは一方では先達の跡をたどり既成の学を吸収する時期ではありますが、これと同時に自らを創作し表現する時代でもなければなりません。この意味で学生が若い力を結集してこの催しを計画し、実行されることは本当に喜ばしいことです。
環境問題、人間疎外など現代の科学技術にはいろいろの批判もありますが、これを謙虚に受け止めるとともに、その克服への道を備えることはこれからの科学技術に託された大きな課題です。次の世代の理工学を担う若い学生諸君がこのことに思いを寄せ、知力、体力、それに感性をさらに磨いていただきたいと願っています。この努力の一つの表れとして持たれる世田谷祭の成功を期待しております。